H26 福岡県(九州・沖縄)第4章 薬事に関する法規と制度(問111-120)

高難度の九州・沖縄地区だけあり、タフな問題ばかり。
問112,113(配置薬販売) ①分割販売は不可、②第一類医薬品販売は可、③都道府県ごとに知事が許可、は試験対策上押さえておく。
問119(行政処分
緊急命令)は特に難問。

問111 店舗販売業に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 薬剤師が従事している店舗であれば、調剤を行うことができる。

イ 薬剤師が従事している店舗であれば、店舗に薬剤師がいない場合でも、登録販売者は第一類医薬品の販売を行うことができる。

ウ 店舗販売業の許可は、要指導医薬品又は一般用医薬品を、店舗において販売し、又は授与する業務について、店舗ごとに、その店舗の所在地の都道府県知事のみが与えることとされている。

エ 店舗を実地に管理する者(店舗管理者)は、店舗販売業の許可を受けた事業者(店舗販売業者) に対し、店舗の業務等について必要な意見を述べなければならない。

    ア イ ウ エ
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 誤 正

幅広い正しい知識が求められる。

ア 誤り。「薬局」の許可を受けていなければ、薬剤師がいても調剤できない。
イ 誤り。第一類なので、薬剤師が対面で販売する必要がある。
ウ 誤り。「店舗ごと」は正しい。所在地の「都道府県知事」だけでなく、その店舗の所在地が保健所を設置する市は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長が許可を与える。
エ 正しい。

正答・・・5

問112 配置販売業に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 配置販売業は、購入者の居宅に医薬品を予め預けておき、購入者がこれを使用した後でなければ代金請求権を生じないといった販売形態である。

イ 配置販売業では、第一類医薬品の販売又は授与を行うことができない。

ウ 配置販売業では、医薬品を開封して分割販売することが認められている。

エ 配置販売業者又はその配置員は、その住所地の都道府県知事が発行する身分証明書の交付を受け、 かつ、これを携帯しなければ、医薬品の配置販売に従事してはならない。

1(ア、イ) 2(ア、エ) 3(イ、ウ) 4(ウ、エ)

配置販売業(置き薬)に関する問題。

ア 正しい。
イ 誤り。受験生が非常に混乱しやすい内容。配置薬販売業では、薬剤師が配置販売に従事していれば、第一類医薬品の販売又は授与を行うことができる。
一般販売業の基準に照らし合わせると、どうやって「対面販売するの?」「どうやって相談うけるの?」と、熱心な受験生ほど、色々疑問が湧いてくるはずです。しかし、これは特例的処置として、あまり深く考えず憶えておいてください。
ウ 誤り。分割販売自体がわかりづらいものだが、「配置販売業では、医薬品を開封して分割販売することは禁止されている」という内容は頻繁に出題されている。
エ 正しい。

正答・・・2

問113 薬局及び医薬品の販売業に関する以下の記述のうち、誤っているものを下から一つ選びなさい。

1 店舗販売業者が、配置による販売又は授与の方法で医薬品を販売等しようとする場合には、別途配置販売業の許可を受ける必要がある。

2 配置販売業の許可は、一般用医薬品を、配置により販売又は授与する業務について、配置しようとする区域をその区域に含む都道府県ごとに、その都道府県知事が与える。

3 卸売販売業では、特定の購入者の求めに応じて医薬品の包装を開封して分割販売することができる。

4 薬局では、業務の効率化をはかるため、医薬品をあらかじめ小分けし、販売することが認められている。

薬局及び医薬品の販売業に関する問題。

4 誤り。医薬品をあらかじめ小分けして販売することは認められない。特定の購入者の求めに応じて行うことは可能。分割販売の記事を参照。

正答・・・4

問114 以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 要指導医薬品は、薬局等構造設備規則に規定する「情報提供を行うための設備」から7メートル以内の範囲に陳列しなければならない。

イ 薬局開設者は、要指導医薬品及び一般用医薬品を陳列する場合には、要指導医薬品及び一般用医薬品を混在しないように陳列しなければならない。

ウ 店舗販売業者は、一般の生活者に医薬品でない製品を販売等することにあたって、医薬品的な誤認を与えることのないよう、十分配慮する必要がある。

エ 薬局開設者又は店舗販売業者は、当該薬局又は店舗を利用するために必要な情報を薬局又は店舗の見やすい場所に掲示するよう努めなければならない。

1(ア、ウ) 2(ア、エ) 3(イ、ウ) 4(イ、エ)

今回の高難度の試験の中では、やさしい問題

ア 誤り。ドラックストア内の陳列でわかるように、要指導医薬品は、かぎをかけた陳列設備や、購入しようとする者等が直接手の触れられないような陳列を行う。「情報提供を行うための設備」から7メートル以内の範囲に陳列というのは指定第二類医薬品に関するものである。
イ 正しい。
ウ 正しい。
エ 誤り。「努めなければならない」ではなく、「掲示しなければならない。」ドラックストア内を注意してみてみると、登録販売者の氏名や、取り扱う医薬品の区分等が記載された掲示を見ることができる。

正答・・・3

問115 一般用医薬品の販売等に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさ い。

ア 店舗販売業者は、その店舗において第三類医薬品を購入した者から相談があった場合には、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者をして、その適正な使用のために必要な情報を提供させるよう努めなければならない。

イ 店舗販売業者は、その店舗において第二類医薬品を販売又は授与する場合には、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、必要な情報を提供させるよう努めなければならない。

ウ 店舗販売業者は、その店舗において第一類医薬品を販売又は授与する場合には、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者をして、その適正な使用のために必要な情報を提供させるよう努めなければならない。

エ 薬局開設者は、指定第二類医薬品を販売又は授与する場合には、当該指定第二類医薬品を購入しようとする者等が、禁忌事項を確実に確認できるようにするために必要な措置を講じなければならない。

1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)

一見簡単そうだが、良く読まないと判断を誤るので注意。

ア 誤り。ひっかからないように。第3類であっても、相談があった場合は、必要な情報を提供させなければならない。(努力目標ではなく、義務!)
イ 正しい。
ウ 誤り。第一類医薬品なので、薬剤師が情報提供を行う。
エ 正しい。指定第二類医薬品の「禁忌事項を確実に確認」は重要なキーワードで頻出。

正答・・・3

問116 特定販売に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 特定販売とは、その薬局又は店舗におけるその薬局又は店舗以外の場所にいる者に対する一般用医薬品又は薬局製造販売医薬品(毒薬及び劇薬であるものを除く。)の販売又は授与をいう。

イ 薬局開設者は、特定販売を行う場合には、当該薬局に貯蔵し、又は陳列している一般用医薬品又は薬局製造販売医薬品( 毒薬及び劇薬であるものを除く。)を販売し、又は授与しなければならない。

ウ 特定販売を行うことについてインターネットを利用して広告をするときは、都道府県知事及び厚生労働大臣が容易に閲覧することができるホームページで行わなければならない。

エ 特定販売を行うことについてインターネットを利用して広告をするときは、ホームページに「現在勤務している薬剤師又は登録販売者の別及びその氏名」を見やすく表示しなければならない。

  ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 正 誤
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤

特定販売(いわゆるネット販売)に関する問題。
特定販売はネット販売だけではなく、電話相談による漢方薬販売も該当することも知っておきたい。

ア 正しい。薬局製造販売医薬品の特定販売も認められている点は押さえておく。漢方相談薬局において、薬局製造販売医薬品の分類である漢方煎じ薬が、電話相談販売が行われていた経緯があり、その為の特例と考えて良い。新しい医薬品の分類と販売方法の記事をご参考に。
イ 正しい。いわゆるドロップシッピング(自身で販売活動は行うが、在庫管理・発送等は委託業者が行う方法)のようなことは認められていない。
ウ 正しい。
エ 正しい。

正答・・・1

問117 医薬品の販売広告に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 一般用医薬品の販売広告媒体として、テレビ、ラジオ又は新聞が該当するが、店舗販売業において販売促進のため用いられるチラシについては、広告媒体として該当しない。

イ 漢方処方製剤の効能効果について、配合されている個々の生薬成分の作用を個別に挙げて説明することは認められている。

ウ 医薬品の誇大広告は、薬事法第66条等に抵触するおそれがあり、広告等の依頼主だけでなく、 その広告等に関与するすべての人が対象となる。

エ 医薬品等の販売広告に関しては、薬事法による保健衛生上の観点からの規制のほか、不当な表示による顧客の誘引の防止等を図るため、「不当景品類及び不当表示防止法」や「特定商取引に関する法律」の規制もなされている。

1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)

医薬品の販売広告に関する問題。

ア 誤り。チラシも当然広告媒体に該当する。
イ 誤り。良く問われる内容だが、個々の生薬成分の作用を、個別に挙げて効能効果の説明をすることはダメ。但し、実際の宣伝広告を見ると、個々の生薬を作用を強調しているかのような製品は多々存在するのも確か。間違わないように注意。
ウ 正しい。
エ 正しい。

正答・・・4

問118 医薬品の販売広告に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 一般用医薬品と同じ有効成分を含有する医療用医薬品の効能効果をそのまま標榜することは、承認されている内容を正確に反映した広告といえない。

イ 医薬品の有効性又は安全性について、それが確実であることを保証するような表現は認められていない。

ウ 使用前・使用後を示した図画・写真等を掲げることは、効能効果等の保証表現となるため不適当とされている。

エ 公的機関が推薦、選用等している旨の広告については、一般の生活者の当該医薬品に対する認識に与える影響が大きいことから、仮に事実であったとしても、原則として不適当とされている。

    ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 誤 正 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤

医薬品の販売広告に関する問題。

ア 正しい。分かり易い例でいうと抗ヒスタミン薬がある。医療用医薬品において、アレグラ、アレジオン等の抗ヒスタミン薬は、花粉症・感冒症状の他、蕁麻疹などの皮膚症状にも用いられる。しかし、市販薬のアレグラFX、アレジオン10は、同じ成分であっても、皮膚症状に対する効能効果を持たない。
イ 正しい。
ウ 正しい。これも良く問われる内容。
エ 正しい。

正答・・・1

問119 行政庁による処分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 都道府県知事は、配置販売業者に対して、その構造設備が基準に適合しない場合においては、その構造設備の改善を命じ、又はその改善がなされるまでの間当該施設の全部若しくは一部の使用を禁止することができる。

イ 都道府県知事は、薬局開設者について、薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反する行為があったとき、その許可を取り消し、又は期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じなければならない。

ウ 都道府県知事は、医薬品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、店舗販売業者に対して、医薬品の販売又は授与を一時停止することその他保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための応急措置を採るべきことを命ずることができる。

エ 都道府県知事は、店舗管理者に薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反する行為があったときは、その店舗販売業者に対して、店舗管理者の変更を命ずることができる。

    ア イ ウ エ
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 誤 正

行政処分に関する問題。相当細かく対策していないと難しい。難問である。

ア 誤り。×「配置販売業者」→〇「薬局開設者又は医薬品の販売業者(配置販売業者を除く。)」
イ 誤り。×「命じなければならない」→〇「命じることができる。」
ウ 誤り。緊急命令に関する内容。×都道府県知事→〇厚生労働大臣
 これは知らないと無理。薬害っぽいイメージから「厚生労働大臣」と結び付けたい。
エ 正しい。他に薬局の管理者に関しても、変更を命じることができる。

正答・・・5

問120 以下の効能効果のうち、化粧品に表示・標榜が認められているものとして、誤っているものを下から一つ選びなさい。

1 フケ、カユミがとれる。
2 頭皮、頭髪にうるおいを与える。
3 小じわを予防する。
4 口唇の乾燥を防ぐ。
5 肌荒れを防ぐ。

化粧品で認められている表示・標榜に関する問題

現実的に、認められている表示をすべて憶えるは難しいので、一つだけ違和感を感じるものを選ぶ。
そして「子じわを予防」を消去法で選びたい。老化現象なので化粧品で予防することはできないはず。

なお、手引きには以下の記載がある。

(化粧品に関して)「化粧くずれを防ぐ」、「小じわを目立たなくみせる」、「みずみずしい肌に見せる」等のメーキャップ効果及び「清涼感を与える」、「爽快にする」等の使用感等を表示し、広告することは事実に反しない限り認められている。

その為、もし選択肢が「小じわを目立たなくみせる」であれば、化粧品の表示として「可」となる。

正答・・・3
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