H29 新潟県(北関東・甲信越) 第3章 主な医薬品とその作用 (問91-100)

問91(点眼薬)、問98(胃の漢方薬)は難しい。

【問91】 点眼薬に含まれる次の成分のうち、自律神経系の伝達物質の産生に重要な成分であり、目の調節機能の回復を促す効果を期待して含まれるものはどれか。

1 イプシロン-アミノカプロン酸

2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース

3 スルファメトキサゾール

4 パントテン酸カルシウム

点眼薬に含まれる成分に関する問題。マイナーな成分を問われており難問である。

まずは、抗菌成分であるスルファメトキサゾールは容易に除外できるように。

次に出題率が高いのはイプシロン‐アミノカプロン酸。炎症の原因となる物質の生成を抑える作用を示し、目の炎症を改善する効果を期待して用いられる。
パンテノール、パントテン酸(ビタミンB5)カルシウムはビタミン成分の1種であり、「自律神経系の伝達物質の産生に重要な成分であり、目の調節機能の回復を促す効果」を期待して用いられる。(詳細は省くが、パンテノールはパントテン酸のプロビタミンで、体内でパントテン酸に変化する)

↓ある点眼薬の含有成分。パンテノールの記載がある。アミノカプロン酸は添加物扱いで記載されている。


正答・・・4

【問92】 皮膚に用いる薬に含まれる次の抗炎症成分のうち、非ステロイド性抗炎症成分(NSAIDs)であるものの正しい組合せはどれか。

a デキサメタゾン

b ジクロフェナクナトリウム

c プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル

d ピロキシカム

e ヒドロコルチゾン

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、e) 5(d、e)

皮膚用薬に用いられる非ステロイド性抗炎症成分(NSAIDs)に関する問題。
この程度の知識は試験前までに身に着けておきたい。

a デキサメタゾンはステロイド性抗炎症成分
ジクロフェナクナトリウムは、外用薬に使用される非ステロイド性抗炎症成分。ボルタレンブランドで有名。
c プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルはステロイド性抗炎症成分
ピロキシカムは非ステロイド性抗炎症成分。但し、現在市販薬としては殆ど見かけない。
e ヒドロコルチゾンはステロイド性抗炎症成分

正答・・・3

【問93】 抗真菌薬及びその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 一般的に、じゅくじゅくと湿潤している患部には、軟膏又はクリームが適すとされる。

b ぜにたむしやいんきんたむしで患部が広範囲に及ぶ場合は、自己治療の範囲を超えており、内服抗真菌薬による全身的な治療が必要な場合もあるので、医療機関を受診するなどの対応が必要である。

c ウンデシレン酸は、患部を酸性にすることで、皮膚糸状菌の発育を抑える。

d テルビナフィン塩酸塩は、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げることにより、その増殖を抑える。 
 
  a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 正 誤
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 正 誤 正

抗真菌薬(水虫薬)に関する問題。

a 正しい。なお、皮膚が厚く角質化している部分には、液剤が適している。 
b 正しい。ぜにたむし(体部白癬)は輪状の小さな丸い病巣が胴や四肢に生じたもの。いんきんたむしは、内股、さらに尻や陰嚢付近に広がっていくものを言う。
c 正しい。ウンデシレン酸に関する内容。
d 正しい。テルビナフィン塩酸塩に関する内容。

正答・・・1

【問94】 口内炎と口内炎用薬に含まれる成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 口内炎は、疱疹ウイルスの口腔内感染、医薬品の副作用として生じる場合もある。

b 口内炎は、通常であれば1~2週間で自然寛解するが、一度に複数箇所に発生して食事に著しい支障を来すほどの状態であれば、医療機関を受診するなどの対応が必要である。

c 口腔粘膜の組織修復を促す作用を期待して、アクリノールが配合されている場合がある。

  a b c
1 正 正 正
2 誤 正 正
3 誤 誤 正
4 正 正 誤
5 正 誤 誤

口内炎用薬に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。アクリノールは殺菌消毒成分に分類される。この分野での組織修復成分としてはアズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)がある。
 
正答・・・4

【問95】 禁煙補助剤及びその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 咀嚼剤は、菓子のガムのように噛むことで、唾液を多く分泌させながら使用することが望ましい。

b 咀嚼剤は、口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が増加するため、コーヒーや炭酸飲料など口腔内を酸性にする食品を摂取した後、しばらくは使用を避けることとされている。

c ニコチンは、交感神経系を興奮させる作用を示す。 
 
  a b c
1 正 誤 誤
2 正 正 正
3 誤 正 誤
4 正 誤 正
5 誤 誤 正

禁煙補助剤(ニコチン置換療法)に関する問題。これは簡単でしょう。

a 誤り。ニコレットのような咀嚼剤タイプは、ガムのように噛むと唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液と一緒に飲み込まれて、口腔粘膜からの吸収が不十分となる。また、吐きけや腹痛等の副作用が現れやすくなる。その為、ゆっくり断続的に噛むこととされている。
b 誤り。口腔内が酸性になると、ニコチンの吸収が減少する。
c 正しい。
↓アマゾンサイト


正答・・・5

【問96】 滋養強壮保健薬に含まれる成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ガンマ-オリザノールは、腸管でのカルシウム吸収及び尿細管でのカルシウム再吸収を促して、骨の形成を助ける栄養素である。

b アスパラギン酸ナトリウムは、骨格筋の疲労の原因となる乳酸の分解を促す等の働きを期待して用いられる。

c システインは、肝臓においてアルコールを分解する酵素の働きを助け、アセトアルデヒドと直接反応して代謝を促す働きがあるとされる。

d グルクロノラクトンは、肝臓の働きを助け、肝血流を促進する働きがあり、全身倦怠感や疲労時の栄養補給を目的として配合されている場合がある。

  a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 誤 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 誤 正
5 正 正 正 誤

滋養強壮保健薬に含まれる成分に関する問題。

a 誤り。これはビタミンDに関する内容。ガンマ-オリザノールは、米油及び米胚芽油から見出された抗酸化作用を示す成分。
b 正しい。アスパラギン酸ナトリウムに関する内容。
c 正しい。システインはアミノ酸の1種。皮膚におけるメラニンの生成を抑えたり、皮膚の新陳代謝を活発にしてメラニンの排出を促す作用があるとされる点の方が良く出題されている。「ハイチオール」「トランシーノ」ブランド等の、いわゆるシミ・そばかす向けの医薬品にビタミンCと一緒に配合されている。
d 正しい。グルクロノラクトンは、栄養ドリンク・グロンサンの主成分として知られる。
 
正答・・・1

【問97】 漢方処方製剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 防已黄耆湯は、体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節痛、むくみ、多汗症、肥満(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)に適すとされる。

b 漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要である。

c 用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないこととされている。

d 大柴胡湯は、構成生薬としてダイオウを含む。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 誤 正 誤 誤
3 誤 正 正 正
4 正 誤 誤 正
5 正 正 正 正

漢方処方製剤に関する問題。

a 正しい。防已黄耆湯は、キーワード「水ぶとり」「多汗症」「関節痛」から容易に判断したい。
b 正しい。
c 正しい。これは頻出の内容。漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合(実際殆どないが)であっても、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないことになっている。
d 正しい。大柴胡湯は肥満・便秘向けの漢方薬であり、キーワードは「高血圧」「常習便秘」。便秘向けという点からダイオウ(大黄)を含むイメージをつなげれば良い。

 

正答・・・5

【問98】 次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものはどれか。

体力中等度以下で腹部筋肉が弛緩する傾向にあり、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけや、げっぷ、食欲不振、吐きけなどを伴うものの神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱に適するとされる。

1 安中散
2 六君子湯 
3 平胃散 
4 大黄甘草湯

漢方処方製剤に関する問題。
これは1,2,3の鑑別がカギとなる。

まずは便秘向け漢方薬である大黄甘草湯をすぐに除外できるように。次に「胃下垂」「みぞおちのつかえ」という特徴的なキーワードがある六君子湯を除外したい。

正答の安中散のキーワードは「神経性胃炎。安中散をベースにした製品は多く、例えば、「タケダ漢方胃腸薬」、「ストレージタイプ1」や、「大正漢方胃腸薬」など、テレビCMでもおなじみの製品が多い。

なお、平胃散の手引きに記述は以下のとおりで、「食べすぎによる胃のもたれ」がキーワード
「体力中等度以上で、胃がもたれて消化が悪く、ときに吐きけ、食後に腹が鳴って下痢の傾向のある人における食べすぎによる胃のもたれ、急・慢性胃炎、消化不良、食欲不振に適すとされる。」
 

正答・・・1

【問99】 消毒薬及びその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a クレゾール石鹸液は、一般細菌類、真菌類及びウイルスに対して殺菌消毒作用を示す。

b サラシ粉は、一般細菌類に対して殺菌消毒作用を示し、専ら人体の消毒に用いられる。

c 消毒薬を誤って飲み込んだ場合、一般的な家庭における応急処置として、通常は多量の牛乳などを飲ませるが、手元に何もないときはまず水を飲ませる。

d 消毒薬が誤って目に入った場合の応急処置として、まずは、酸であればアルカリで、アルカリであれば酸で中和することが適切である。

  a b c d
1 誤 正 正 正
2 誤 誤 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 誤 正
5 正 正 誤 誤

消毒薬に関する問題。この程度のレベルなら容易に判断できるように。

a 誤り。クレゾール石鹸液は、結核菌を含む一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示すが、ウイルスに対する殺菌消毒作用はない
b 誤り。塩素系殺菌消毒成分の次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉は、皮膚刺激性が強く、通常人体の消毒には用いられない。また、強い酸化力により一般細菌類、真菌類だけでなく、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示すことも押さえておこう。
c 正しい。
d 誤り。これは常識的にも判断できたでしょう。まずは流水で十分に洗眼する。

正答・・・3

【問100】 殺虫剤・忌避剤及び衛生害虫に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 殺虫剤・忌避剤は人体に対する作用が緩和なため、医薬品として扱われることはなく、すべて医薬部外品として扱われる。

b ハエ蛆症とは、人の体内や皮膚などに幼虫(ウジ)が潜り込み、組織や体液や消化器官内の消化物を食べて直接的な健康被害を与える症状のことである。

c シラミの防除には、殺虫成分としてフェノトリンが配合されたシャンプーやてんか粉が用いられる。

d ツメダニ類等の屋内塵性ダニに対して殺虫剤を散布する場合は、エアゾール、粉剤の使用は避け、水で希釈する薬剤を用いることが望ましい。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 誤 正

殺虫剤・忌避剤及び衛生害虫に関する問題。
dはあまり問われたことがなかった内容である。
  
a 誤り。例えば、有機リン系の殺虫成分であるジクロルボスは第一類医薬品である。(バポナ殺虫プレートの主成分)。また、忌避剤ディートも含有量によっては医薬品扱いになる。

b 正しい。
c 正しい。殺虫剤の中でもシラミ駆除に用いるフェノトリンは頻出。シラミ駆除剤(アタマジラミ・ケジラミ)として、殺虫成分で唯一人体に直接適応されるものである。
d 誤り。手引きでは、湿度がダニの増殖の要因になるため、水で希釈する薬剤の使用は避け、エアゾール、粉剤が用いられることが望ましいとされている。
  
正答・・・2
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